〜血液の酸素を減らす、赤ちゃんと胎児への危険〜
(苦い野菜や、どす黒い青野菜は、硝酸態窒素含有)
「最近、真っ青のきゅうりに苦いものが多い」
「緑色が濃いミズ菜のサラダを食べたのだが、いやに苦かった」
「ばかに濃い緑色の野菜が増えたが、味は良くない」
「昔の野菜は独特の風味があったが、いまのはなくなって、味がくどい」
こんな会話が消費者の間で交わされることが多くなったのが、最近の野菜です。
見た目は鮮やかで、青々として新鮮そのものに感じられますが、食べてみると
苦くて大雑把な味が舌に残るような野菜類が多くなったことは事実のようです。
ことに大量販売されている、スーパーマーケットの野菜などにはこの傾向が強いように感じます。
青い野菜だけでなく、トマトやナス、ショウガの類まで風味がなく、ことにトマトなどただ赤い色のナスのようです。
もっともトマトはナス科の植物だけに、味の薄いナスよりも、もっと味なしのなのがトマトの味になってしまったようです。
なぜこんなに野菜の味が悪くなったのでしょう。
答えは簡単、肥料のやりすぎです。
肥料の三大要素は窒素N、カリウム(加里)K、リン(燐酸)Pであることは、小学校の教科書にも載っています。
またこれらの肥料栄養素があるので、作物は育ち、実り多い収穫が約束され、生産者は収入が増え、消費者も納得した適当な価格で購買が出来ます。
この肥料が不足しますと、作物の生育は遅く生産性も悪くなります。
それゆえ生産者にとっては、肥料は生活を保障してくれる大事な生産資材です。
また生産物がたくさん収穫され、田畑いっぱいに実ることが、農家のやりがいであり喜びです。
そんな生産構造の中に組み込まれている肥料栄養素は大事な生産剤です。
それゆえ、もっと生産をあげたい、もっと利益を欲しいと思ったとき、この肥料をたくさんやれば収穫が増えるだろうと思うことは人情です。
その結果、畑や田んぼの土の中には、使いきれないほどの、肥料栄養素成分が積もり積もってしまいました。
それらの使い切れない肥料成分は、土壌の中に固形化し余分な富栄養素となって蓄積されます。
しかし生産者は、知ってか知らずか毎年その上に肥料を与えます。
たしかに肥料を与えた分、作物は生長しますが、富栄養素で育つ作物はひ弱で、病気に対する免疫力も抵抗力も少ないです。
そこで病虫害の被害を防ぐために、農薬のご厄介になります。
農薬は生産に必要なもうひとつの要素となります。
いきおい農薬のやりすぎとなって、作物は病虫害から守れますが、人間が食するには非常に危険な食品となります。
さらに農薬のやりすぎと、肥料のやりすぎの合併で、土壌は酸性化されたり、土壌の栄養バランスが極端に欠けたり、また大事な土壌微生物の繁殖と働きまで、抑制するような状態にまでなっているようです。
植物はもともと空気と水と光があれば、育ち繁殖いたします。
元素としては水素と酸素と炭素(二酸化炭素)が大切で、太陽の光を浴びて炭素から澱粉を作り、空気の中の窒素を吸収しアミノ酸を作って成長します。
その証拠に、自然に生えている樹木や草花は、特別に肥料を与えなくても育ち、花を咲かせ実も付けます。
ただその自然条件に加え、窒素を余分に与えますと、どの植物も成長は一段と活発になります。
畑の農作物も、この窒素によって一段と発育が良くなり、カリとリンの栄養素の助けもあって、花を咲かせ実を付けます。
ことに葉っぱを食する、ほうれん草や小松菜、ミズ菜などの葉もの野菜には、窒素は欠かせません。
そこでどうしても窒素の多給となります。
窒素はアンモニアで地中で硝酸となって作物に吸収され、アミノ酸からタンパク質となります。
これが過剰になりますと硝酸菌により亜硝酸性窒素となりそれが硝酸態窒素となり、硝酸イオンに形が変わり、硝酸態窒素として作物の中に残留します。
この硝酸態窒素の蓄積が多くなりますと、緑色の野菜はより濃度を増し、また苦い味となり美味しくありません。
有機的なふくよかな味が失われ無機的な味気ないものとなります。
こんな味の野菜が、冒頭に消費者が嘆いていた、不味い野菜、苦い野菜の代表になります。
ただ生産性だけを追及し、化学肥料だけで生産した野菜には、ことにこの傾向が強いですが、有機肥料の牛糞、鶏糞などの発酵肥料などの多給も勿論、窒素過多になります。
逆に有機肥料のほうが、作物への吸収が悪いので、土壌の中への蓄積度は化学肥料より濃いかもしれません。
この肥料過多、富栄養素の土壌で育った野菜類は、味の悪さと苦さだけでなく、問題の硝酸態窒素には、私たちの体に多大な影響を与える作用が含まれていることです。
この硝酸態窒素は、体に吸収されますと、血液の赤血球のなかのヘモクロビンと結合し、メトヘモクロビン血症を起こし、血管の酸素運搬能力を欠乏させる恐ろしさがあります。
大人の人間にはその害は少ないですが、乳幼児や胎児への影響は顕著で、離乳食で与えたペースト状のホウレン草に、硝酸態窒素含有が多く、それを食べた乳幼児が血流障害を起こし、酸欠で死んだ事実がアメリカで起きています。
赤ちゃんと呼ばれる赤い皮膚の乳児が、酸欠で青くなって死亡したので、硝酸態窒素によるメトヘモクロビン血症事故を「ブルーベビー症候群」と呼ぶようになりました。
それ以後、葉もの野菜の硝酸態窒素の危険性が大きく叫ばれるようになり、離乳食の硝酸態窒素は厳しくチェックされ、その危険はなくなりましたが、生産性第一主義の日本の農家には他人事です。
その証拠には苦い青野菜が市場にたくさん出回っていることです。
いまではチェックの厳しい離乳食は心配ないが、怖いのは妊産婦が食べる硝酸態窒素含有野菜です。
妊産婦自身には被害のほどは現象としては現れませんが、お腹の中で育っている胎児の血流に影響していることは確かです。
ことに毛細血管の集中する脳細胞の血流とヘモクロビンに障害が起き、酸素運搬能力欠乏症となったら、生まれ出る赤ちゃんの脳発達に支障が出ないとは言い切れません。
このような危険性が認められる農作物が、今も堂々と流通している構造事態と、それをチェックする機能のないことが少し心配です。
肥料過多の野菜は、見た目は青々と新鮮そうに見えても、その多くは味がくどく、特に苦くエグイ味覚のものは、硝酸態窒素含有率が多いと考えても良く、それは危険な野菜と言うことです。
こんな危険な野菜を少なくする方法は、肥料給与の量を加減し、窒素分を少なくし、土壌の栄養価を富栄養素にしないことです。
しかしその結果収穫量が減少しては、生産農家は抵抗するでしょう。
これを解決したのが、私どもが扱っている天然の有機酸です。
この天然の有機酸は、分かりやすく言いますと、森の中に堆積した腐食酸の中から、有効成分のみを抽出したような物質で、それをもっと濃縮した多機能の有機酸です
こう書きますと、自社製品の宣伝に聞こえますが、そのような考えは毛頭ございません。
ただ現実的に使用した農家の野菜は、今までと違い硝酸態窒素が減少し、逆に農作物の収穫量は増加した事例が多く報告されるようになりましたので発表します。
そのうえ、減農薬、減肥料の状態ですから、生産経費は低減し利益が大きくなったと喜ばれる実態が、私どもを驚かせています。
なかには、粉末有機酸を土の中にすき込み、そのうえ水溶性の有機酸を葉面散布したことにより、農薬を一切使わずに病虫害の被害を防ぐことが出来、農薬を使う後ろ暗さがなくなったことが一番の収穫だったと話す農家も出てきました。
なぜ硝酸態窒素が少なくなったかといえば、窒素を含め新しく肥料を与えなかったので、窒素過多が防げたことです。
その代わり今まで土壌の中に蓄積され固形化していた肥料を、天然有機酸が分解、根っこを活性化し丈夫に育て、肥料分の吸収を適正化し有効活用したので、肥料を与えた以上農作物の収量を増やし、なおうれしいことに昔の本来の野菜の味を取り戻したことだと、生産農家の話はつきません。
口蹄疫で被害を受けた宮崎県のハウス栽培農家では今静かなブームとして、この天然有機酸が使われ始めています。
きゅうりもピーマンも、トマトも、露地栽培のショウガも、ニラも煙草も、この天然有機酸を使用し、病気の心配から硝酸態窒素の心配まで、すべて解決してくれると喜びの声が、代理店を通じてもたらせて来ます。
ただ全国的にはまだ少数です、多くの農家は肥料に頼り、農薬をいやと言うほど撒き散らしています。
なぜかといいますと富栄養素の土壌で育つ農作物は、病虫害に弱く農薬がないと育他ないからです。
作物自身が持つ病虫害に対する抵抗性、免疫性を低下させているからに過ぎません。
多くの農家はそのことをよく承知していますが、何年にもわたって作業してきた習慣を変えるには、なかなかの勇気を必要とし、それだから臆病な人には出来ません。
また農協などの営農指導員の方々も病気に対してはこの薬が良い、育ちが悪ければ窒素が不足だと、化学的処方の勉強はしていますが、作物が持つ本質的な生命力を健全にするための指導は少ないです。
それやこれやで、硝酸態窒素の被害は消えません。
より自然的な、作物本来の能力をそのまま発揮できる処方箋をつくり、硝酸態窒素の被害を少なくし、農薬の危険を減少する方法をもっと啓蒙しなければいけないと思っています。
ご存知のよう、農薬と土壌の窒素過多は、飲料水にも影響し、各地の井戸水の硝酸態窒素は危険水準に達しているところが多く、また水道水も府県によっては硝酸態窒素が多く、要注意の水道水がかなりあります。
ましてや、ミネラルウォーターとして売られている、ペットボトル飲料水の多くが、かなり硝酸態窒素の含有率が高いのも、地球全体が化学物質に汚染され、天然の地下水にもその害が及んでいることの証明でしょう。
水道水は田畑の水が流れ込んだ河川からの採取が多く、当然使い切れなかった窒素分も多く流れ込んでいます。
その窒素分が硝酸態窒素となって、水道水への含有がこれからも増える危険性は十分承知しなければいけません。
こんな報告にしてこの稿をおわりますが、この続きはまた次回に。