春の紫外線

〜意外と強い紫外線で日焼け〜
(活性酸素で白内障からがんの引き金)

先週、久しぶりにゴルフをしました。

高校時代の同級生同士で合計7人、全て老人、全員が79歳です。

寒い冬の間休んでいたゴルフですが、好天に恵まれていまして4ヶ月ぶりの私も、ショットはそれなりにまとまっていましたし、ラウンドで100をきるスコアーが4人も出て、お互いの健闘を称えあった一日でした。

終わってささやかなパーティーで顔を見合わせ、「おいよく焼けたな、顔が真っ赤だぞ」どの友人も強烈な日差しを浴びて一日で真っ赤に日焼けした顔を確かめ合い「酒を飲んだようで酔払い運転と間違えられるぞ」と冗談か出るほどでした。

日焼けは夏のもの、と思い込んでいますので、誰も日焼け止めクリームなど塗りません。

午後になって、私だけが陽射しの強さを感じ、日焼け止めクリームを塗りましたが、すでに遅く顔は日焼けし赤い顔になっていました。

「日焼けは体に悪く、シミの原因だぞ」私の言葉に「もうシミやシワを気にする歳ではない」誰も異口同音に答えます。

確かに歳を考えれば、日焼けの心配をする年齢はとうに過ぎていますが、それはシミやシワが増えてのこと、しかし日焼けで起る体内での活性酸素の毒は、もっと深いところで問題を起こしますから困ります。

ご存知のよう、日焼けは太陽光線の中に含まれる波長の短い紫外線によるもので、最近は太陽光の中の悪玉放射線として認識されているものです。

太陽の光は虹に代表されるように、7色の光を持っています、一番波長の長いのが赤色、短いのが紫です。

この赤い光の外にもう一つの赤色があり、それが外の赤色ということで「赤外線」とよばれる熱線です。

一方波長の短い紫色の光の外側にも、肉眼的には見えない「紫外線」があります。

この光線は人間の皮膚の表面は勿論、真皮から皮下の結合組織のタンパク脂肪組織にまで到達します。

これが問題で、フリーラジカルの原因になり、皮膚から真皮さらに皮下のコラーゲンなどの細胞にまで傷をつけますので、ことに回復力の弱い老人は、さらに気をつけなければいけないのです。

その昔、私が子供時代は、太陽にあったって、肌を真っ黒に焼くことが健康的で、冬の寒さに耐え風邪を引きにくくする、と言われたることが常識でした。

ところが、生物化学が発達し、医学的に見て日焼けを起こす紫外線は、老化をより促進させ、シミ、シワ、タルミの原因となり、さらに皮膚がんのリスクを高め、白内障の引き金となると言われ、不健康を作る原因とも言われるようになりました。

ことに問題は、皮膚が赤くなり、やがて黒ずむ日焼けですまなくなることです。

若いうちは日焼けも魅力のうちと言うことで、わざわざガンクロに日焼けさせ、一見健康そうなお洒落をする人もいますが、これが知らずのうち肌を老化させ、美しい艶と張りを失わせる要因となるのです。

夏の日焼けも冬の雪焼けも同じで、急激に焼けますと、免疫機能低下を起こし、ことに目の角膜に細かい傷がつき、目のなかに異物があるように、ごろついたり痛みが出たりします。

海水浴などで塩水と日焼けが重なり合いますと、皮膚が火ぶくれになりやがて皮がむけますが、これは紫外線による皮膚のやけどで、急性日焼けになります。

真夏の日焼けは、太陽がギラギラ輝き、汗が噴出す暑さですから、日焼けの用心もしますが、春のうららかな陽気のゴルフ場では、晴れ渡った紫外線の心配をする人は少ないです、まして老人はぜんぜん気にしません。

ところが春4月5月頃から意外と紫外線量は多くなり、9月までの間で年間の70−80%がこの時期に降り注ぎます。

ことにそれまで冬の日差しでやわらかく、日照時間も紫外線量も少なく、さらに肌を露出しない時期を過ごし、肌そのものが弱くなっているところに、急激に強烈な紫外線は、刺激が強すぎます。

またゴルフは、昼食をはさんで9時ごろから午後4時ごろまで、最も紫外線量が多いときですから、皮膚のダメージもそれなりに多くなります。

この光線照射量は、年齢に関係なく、私たち老人でも若者でも同じです。

ただ違うことは受けたダメージに対する回復力です。

若い肌は新陳代謝が活発で、外側の角質層の活性が高いので、傷ついた皮膚の回復は早いですが、老人の代謝力は弱くこのダメージ回復に時間がかかります。

勿論、各個人の差異は当然あって、老人になりますと皮膚組織の若さと回復力は、人により10歳、20歳くらいの相違があります。

それは常日頃の生活習慣と関係します。

食生活はじめ定期的な運動、入浴、洗顔などの皮膚の手入れ、喫煙の習慣、深酒の習慣、睡眠時間の長短、ストレス、慢性疾患、体質と遺伝子、さまざまな条件で皮膚環境の違いが出来、それが回復力の違いとなります。

皮膚へのダメージだけでなく、目の障害、疲れ、活性酸素による体調不良、がん発生の引き金などいくつもの危険の要因になります。

これら全ての危険因子も、人によって相違があることを強調しておきます。

さてまもなく風薫る5月です、意外と紫外線が強い季節ともいわれてます、スポーツも野外活動も活発になる時期、紫外線の対策に充分注意を払って健康増進を図りましょう。

最後に、日焼けした私の顔は、翌々日には普段の顔に戻りました。

午後にクリームを塗ったことと、やっぱり抗酸化力の強い健康食品を毎日摂取していることも功を奏しているからでしょう。