腸管免疫で病気予防

〜腸は病気を防ぐ最前線、全ての免疫細胞は腸で始まる〜
(子豚の病気予防にプロバイオティック)

〜母乳から離れると病気多発〜

私どもでは、豚や鶏の初期発育と抗病性を高める目的の、大豆油かすを
発酵した混合飼料を製造販売しています。

商品名をP3DASH(ピィスリーダッシュ)といいます。

この飼料は単に大豆を発酵しただけではなく、豊富な機能性を持った
ペプチドアミノ酸と、枯草菌(納豆菌)、乳酸菌が製品1g中に
30億から50億個が生存している、プロバイオティク(生菌剤)飼料
です。

ことに腸管がまだ発達していない、初生雛や離乳直後の子豚、子牛などの、
栄養吸収と腸管での免疫抗体を作り、病気発生を防ぎ、健全な初期発育と
その後の生産向上を目的として製造されたものです。

勿論、発酵と言う過程で、難消化な大豆タンパクと糖類は、消化しやすい
形に変えられ、タンパク質も45%から60%以上の良質なものに変身
していますので、餌としての価値が高いのです。

このような機能性のある飼料は、雛、子豚や子牛だけでなく、大人に
なった家畜の腸内の健康に役立つことは申すまでもなく、サルモネラや
病原性大腸菌O−157などの細菌感染症、原虫病、またはウイルス病の
鶏インフレーションなどの予防に役立ちます。

なぜこのような大豆を発酵した飼料を開発したかの理由は、人間も含め
家畜もペット動物も鳥類も全て病気と闘う免疫抗体は、70%近くが
腸管で作られると私は考えるからです。

私たちの経験から子豚を例にしますと、産まれて約3週間は母乳で健康に
育ちますが、その後人工乳に変わりますと、たちまち軟便や発育不全、
さらには病原性の大腸菌症、サルモネラ菌など感染による、下痢症状を
起こすケースが多く、それらの豚は不健康で、病気になりやすい体質に
なる事実を沢山見ています。

母親の乳の中には、病原菌をはじめストレスに耐えうる未知の成長
ファクターが入っているので、腸管が健全に成長し、子豚の腸管の中には
自然に免疫機能が育ちます、その機能が完全になるまで飲ませれば、
丈夫な病気知らずの肉豚に成長することでしょう。

それを人間の都合で次の生産計画のため、無理やり母豚から引き離し
人工乳に切換えられます。

勿論、人工乳も栄養的には計算上母豚の乳となんら変らない設計ですが、
やはり人工的なものと、母豚が子供の健康な発育を願って体内で自然に
作られたものとは、似ていても本質的に違うもので、子豚の病気に
対する抵抗力はつきません。

そんな養豚産業の生産計画の犠牲になる可哀そうな子豚、その
ダメージを大幅に改善できたのが、私どもの発酵飼料です。

理由は、消化吸収がよいこと、免疫抗体が造成されやすいペプチド
タンパクの効果、腸内の悪玉菌に抵抗できる善玉菌が豊富にある、
などが上げられます。

ことに有用微生物、善玉菌の乳酸菌、枯草菌(納豆菌)が、離乳した
子豚の腸を守り、病原性の細菌の繁殖と感染を抑制することが重要で、
まして栄養吸収が健全化しますと育ち盛りの子豚は積極的に病原菌に
対する抵抗力を作ります。

もとより免疫獲得機能は腸管だけでなく、リンパ、骨髄、胸腺、脾臓、
などの器官臓器でも作られますし、鶏などは肛門の近くのF嚢(のう)と
いう袋状の器官でも作られます。

しかしこのような器官臓器で作る免疫抗体は、人間が直接的に、また
人工的に操作は出来ません、唯一腸管だけが飼料や添加物など与えたり、
保温をして腹を冷やさないようにしたり、健全化を図ることの出来る
臓器です。

その目的を叶える飼料が、わが社の発酵プロバイオティックです。
〜小腸は60%のリンパ球を作る〜

いずれにしろ丈夫な腸を作ることは、家畜だけではありません。

人間もまったく同じで、健康で病気知らずの体質は、まず腸の健康
からが第一番です。

腸管といいますと、食べ物を消化するだけの器官と思っている人が
多いでしょうが、大きな間違いで、豚の腸管機能と同じで、ほとんどの
免疫機能は腸管免疫と連携していると考えてください。

まず腸管は、病原性の細菌もウイルスもまたは危害物質も、体が敵と
感ずる異物の多くが、口を通じて最も簡単に侵入しやすい臓器で、
その結果すぐ直接的に病気を発生しやすい場所です。

また長期的に病原菌の巣窟にもなりかねません。

それを防ぐだけでも、腸自身は口からの異物にすぐに反応し、抗体を
作ったり、腸管に生存する善玉菌などが出動して、防御態勢を作ります。

それ以上、腸管の健全化が重要な理由は、小腸はリンパ組織の60−
70%が集まった臓器で、腸で活性化したリンパ球が全身に送られます、
もし小腸が健康でなかったら、全身に送られるリンパ球の活性も退化
しますし、送る数にも問題が生じます。

このような組織体の防御メカニズムで小腸、腸管は健康な体への大切な
役割を担っています。

その代表に絨毛組織に隠れるようにある、パイエル板と腸管上皮細胞
リンパ球や腸管T細胞などが、第一番の働きをする防衛隊として、
まずあらゆる病気の侵入を防ぐのです。
〜善玉と悪玉が争う菌の戦い〜

私たちの体には敵を認識し、それを防ぎやっつける免疫機能が様々あり、
花粉など微細な異物に対するIgE(ガンマグロブリンE)などの
糖タンパク免疫機能から、細菌感染症をやっつける胸腺のT細胞や他の
臓器で作るB細胞、がん細胞を貪食(どんしょく)するNK細胞、
体の中で出来る老化を促進する細胞を防ぐ酵素機能など大別して四つ
あります。

これらの細胞機能に加え、骨髄で作られる赤血球、白血球、血小板など
血液の防御組織も、腸の健全化があってはじめって成り立ち、良質な
タンパク質はじめビタミン、ミネラルなどの微量成分などが免疫抗体の
立役者にもなりますが、これらの物質の吸収も健康な腸がします。

さてこのように人間の体は、様々な危害要素から守ろうとする免疫機能や
細胞が発達しますが、残念なことに病原菌感染症の抗体、免疫T細胞
などは年齢とともに減少し、物の本によりますと40歳で二分の一以下、
80歳ではゼロとなってしまいますし、NK細胞も同じように劣化します。

これが老化現象(減少)と言うもので、その減少を早めるものは腸管の
劣化と不健康です。

腸には様々な微生物が生息しています。

善玉菌の代表ビフィズス菌や乳酸菌をはじめ、悪玉菌のサルモネラ菌、
クロストリジューム菌、連鎖球菌または日和見菌の大腸菌など、善悪合わせ
合計で100種類以上、100兆から生息し、重量で1キロから1.5
キロにもなろうとしています。

これら腸内の菌叢(フローラー)は、善玉菌と悪玉菌が絶えず勢力争いで
しのぎを削っています。

善玉菌が増えれば腸は快調で、体調もよく元気ですが、悪玉菌が占領しますと
体調が悪くなり病気になります。

それゆえ微生物群でも特に善玉菌の健全性が、人間の健康の大前提とも
なります。

健康な腸はすぐに排便にあらわれます。

悪い菌が繁殖しますと、腸の健全な機能が失われ、便秘あるいは下痢の発生と
なり、悪臭が強く形状もまちまちです。

ことに便秘は、気をつけないと大変な事態になります。

腹部が張る膨満感から食欲不振、腹痛、吐き気、めまいだけでなく、腸の狭窄、
癒着、炎症からやがてはがん細胞の発生にまで繋がります。

腸管免疫の低下は勿論、アレルギーの発生、感染症の増加、自律神経の乱れで
ストレスがたまり、病状が進行します。

下痢も同じよう腸管免疫力を低下させます。

下痢の大きな原因は感染症で食中毒の多くが細菌性のものです。

なかにはふぐ毒、化学物質、薬物的中毒もありますが、これは非正常な出来事で、
腸管免疫とは直接的ではないようですが、腸管のダメージとして、下痢を
起こせば腸管免疫健全化には影響します。

症状の中で神経的な下痢があります。

というのも胃や腸は脳細胞に次いで神経系統が密集していて、心配事や恐怖体験、
嫌なこと、嫌いなことなどがあると、すぐに消化機能に反映し、食欲不振、下痢、
嘔吐、腹痛、むかつきなどの症状があらわれます。

これは、精神的なストレスがすぐに消化器に反映し、反応が出る証拠です、
下痢だけでなく便秘になることもしばしばです。

こんなストレスも腸管免疫造成にはマイナスとなります。
〜免疫を低下させる活性酸素〜

それだけではなく、便秘下痢を起こす物質は、細胞劣化の大敵「活性酸素」を
発生させます。

活性酸素はがん細胞を作る引き金として知られていますし、さらに臓器の不全、
免疫細胞の破壊、さらに呼吸器、消化器、循環器、感覚器官、皮膚から頭髪
までも老化させます。

口から入り、腸で消化吸収される食物や物質の中には、抗酸化物質とその逆に
活性酸素を沢山作る食品があります。

酒や煙草などもその一つですし、食品添加物、残留農薬、薬品、脂肪過多の
食品、焼き焦げや塩分過剰、まだまだ沢山の危害食品があります。

これら腸管細胞にある種の刺激を与える物質は、免疫細胞活性の障害になり
ます。

そんな危害が起きやすい腸管だけに、健康的な働きをサポートする食品を
積極的に摂取する必要があります。

まずバランスの取れた栄養ですが、便通を正常に保つためには、食物繊維質の
食品を食べることでしょう。

それと大事なことは、プロバイオティックを1日1回の摂取をすすめます。

プロバイオティックというような補助食品的な食物でなくとも、納豆、
ヨーグルト、乳酸飲料、発酵食品の漬物なども、立派なプロバイオティック
食品です。

さらに腸を鍛えるために、善玉菌をを増やすため、良質なタンパク、ミネラル、
ビタミン、抗酸化食品ことに大豆のフラボノイド類、多糖類は効果的です。

ミネラルではセレン、亜鉛、ビタミンではA、C、Eなどは抗酸化物質として
活性酸素対策と、免疫細胞活性化には大切です。

いずれにしろ免疫低下は全ての病気発症の元凶です。

その免疫を強く活性させるのは腸管の役目です。

我々は、畜産動物にはペプチド化した大豆タンパクと乳酸菌、枯草菌(納豆菌)
飼料で、初期の腸管免疫を作るお手伝いをしました。

同じよう、人間用には抗酸化力の高い大豆フラボノイドとペプチドタンパク
製剤を作りました。

これらの商品は、腸管の中で善玉菌と免疫細胞活性化に役立つ、プレバイオ
ティックとして、乳酸菌、ビフィズス菌などプロバイオティックを生産する
前駆体して役立っています。

生活習慣病全てと、その代表的病気がん対策には、腸の健康と腸管免疫の
健全がもっとも重要と再度強調いたします。