〜能力以上の能力を求めるドーピング〜
(名誉とお金のため後を絶たない不正薬物)
私が「ドーピング」という言葉とその意味を強烈に認識させられたのは、いまから27年前の1988年、韓国ソウルで開催された、オリンピックの陸上男子100メートル競技でした。
100メートル競争の世界最速の男は誰か、アメリカのカール・ルイスかカナダのベン・ジョンソンか、この二人の優勝争いの下馬評が世を湧かせました。
結果は驚異的な世界新記録の速さ(9.79秒)でベン・ジョンソンが勝者となりましたが、その後ベン・ジョンソンが競技に勝つために、筋肉増強薬物使用の疑いがあると「ドーピング」検査の結果、陽性ということで失格、世界を驚かせました。
同時に身体能力を高める薬物があり、それを使用したものは競技失格者になることを世界中の人に知らしめ、その検査をドーピング検査という言葉だと知った人も多いと思います、その一人が私でした。
その後、有名スポーツ選手のアマ、プロ問わずこのドーピングの疑いがスポーツ界の話題になることは枚挙にいとまがありません。
オリンピックのハンマー投げの日本代表、室伏選手は2004年アテネオリンピックで1位選手のドーピング失格で金メダルとなり、次の北京オリンピックでは2位、3位の選手が同じようドーピング失格で、5位の室伏選手が銅メダルになった事件があります。
ハンマー投げのように一瞬の力が集中する競技は、ことに筋肉のパワーアップに薬物は役立つのでしょう。
サッカー界の伝説の選手、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナは、自身の能力を高め、痛みが走る体を保護するため、興奮剤のコカインを摂取していたことはよく知られていました。
最近話題になったのはメジャーリーグ、ニューヨークヤンキースの強打者アレックス・ロドリゲスの薬物使用が確定され、211試合の出場停止となり、昨年は球場から姿を消し、最近になってようやく姿を見るようになりました。
日本プロ野球界にも、絶えず噂された選手が何人もいましたが、化学薬物と薬物的反応を示す機能性のある食品との判定も難しく、うやむやになったケースもあります。
何れにしろ、一時的か恒久的かは別にして、身体能力を高める薬物があることは事実で、それらがスポーツ競技の場で秘密裏に各選手が使用したとしたら、その力は本人の実力でなく薬物の実力となり、競技そのものが成立しません。
もしこれらの行為が恒常的に行われたとしたら、スポーツ競技の価値は凋落し、さらにスポーツ精神の根幹である、フェアーで紳士的である行動に反することになります。
さらに麻薬的な要素のある薬物は反社会的なであり、青少年の教育はもとより、人間性の失格までつながります。
さらに言えば、薬物乱用は身体的負担となり、健全な心と健康を損ねます。
事実1988年ソウルオリンピックの女子短距離界の王者フローレンス・ジョイナー選手は、心臓病で38歳の若さで他界しましたが、その原因が身体向上のため摂り続けた薬物ではないかと疑いが掛けられました。
またそれが真である証拠も沢山あるようです。
このように運動能力を一時的にしろ、意図的に能力をあげることができる薬物は、いったいどんなものなのか若干の興味もあります。
また身体のパワーアップだけでなく、精神の安定剤、ハイテンションになる興奮剤、疲れない身体、心肺能力を拡大する薬品食品など、さまざまな目的を持った禁止物質があるようです。
それでは実際どんなものがあるかその一部を紹介します。
参考にするのは、ドーピング被害を防ごうとして自ら「スポーツファーマシスト」の資格を取得した薬剤師、遠藤敦先生の「うっかりドーピング 防止マニュアル」なる著書から引用させてもらいます。
まず驚くのは禁止薬物の多さで、そのほとんどが横文字のカタカナ物質で、一度や二度で覚えられるものではありません。
ただ代表的な薬物で私たちもよく目にする物質にステロイドがありました。
分類的にはタンパク同化剤と言い、男性ホルモンの代表テストステロンなども含まれ、これだけで70種類以上もあります。
すべて禁止薬物と食品を合わせたらおそらく300種を超えるでしょう。
「筋肉増強剤」としてステロイドは有名ですが、もう一つ困ることは医局の薬剤としてステロイドは一般的にさまざまの症状緩和に使われてもいますので、スポーツ選手は薬剤の選択には気をつけなくてはいけません。
次に目につくのは「ペプチドホルモンの成長因子」が含まれる物質と、女性ホルモンのエストラゲン受容体など、さらに代謝調整剤のインスリン類も含まれることです、これも一般の薬品として処方されます。
高血圧治療によく使われる「利尿剤」も禁止薬物です。
その理由はドーピング検査の定番である尿検査が正しく行われるためのものです。
尿中に含まれるだろう薬物反応を、尿代謝を促進させて隠ぺいしようとする物質とし、利尿剤は禁止されているようです。
「興奮剤」もだめです。
精神の刺激剤として使われ、眠気疲労感を無くし、闘争心を高め集中力を高める作用があるので、格闘技選手などで重宝もされました。
代表的な薬物はコカインで、これはまさに「麻薬」です。
そのほか覚せい剤としてのアンフェタミン。
終戦直後巷で大流行したヒロポンの原料メタンフェタミン。
ダイエット効果で売られるエフェドリンやジブトラミンなどありますが、これらの薬剤は漢方薬にも含まれるし、風邪薬や呼吸器病にも使われていますので、要注意です。
興奮剤の反対の「精神安定剤」もドーピング対象です。
精神を安定し集中力を高めることで成績が向上するスポーツ、射撃、アーチェリー、ゴルフなどですが、オリンピック種目にないビリヤードやダーツなどでも禁止薬物です。
この薬物も厄介なことに高血圧の薬として常用されるβ遮断剤で、心臓の働きを安定させる効果で血圧の正常化させる薬です。
精神安定に関係するか疑わしいが「アルコール」も含まれ、アーチェリー競技などは禁止嗜好品です。
もっともアルコールを飲んで競技に出ること自体が不謹慎です。
「持久力増強」のため、酸素運搬能力を高めたり、赤血球のヘモクロビンを増やす有酸素資材なども禁止です。
これらは自己の血液の酸素量を増やす目的ですが、薬物ではなく健康体の自分自身の血液を事前に採取、競技前に輸血して赤血球を増やし心肺能力を高める行為も禁止されます。
これは意識的な行為で、意図的なドーピングですが、なかには意図しない風邪薬などの成分で検査アウトになるドーピングもあります。
最も悪質なのは、競合選手の飲料や食べ物に禁止薬物を仕掛けたり、好意的なふりをして禁止物質入り飲食物をプレゼントし、競技後の検査で失格を狙う選手がいることも問題です。
このような事件を救済することも、ドーピングを査定する科学者や薬剤師の仕事にもなるようです。
さて最近「遺伝子操作」が新しいドーピング検査の話題となっています。
遺伝子操作とは遺伝子の組み換えで、筋肉増強遺伝子ポリマーを成長中のある年齢から、注射や食事で送り込み、能力を異常に発達させる手法で、医療の手段の動物実験では成功を収めている方法です。
筋ジストロフィーなど筋肉が萎縮する対策の遺伝子治療法は、筋肉増強法には変わりありませんので、人造的にサイボーグのような運動人間が作れる可能性があります。
同じように、心肺機能の低い患者に血液増強と心機能を改善する遺伝子操作をすれば、健康回復し健常人になれる手法も完成しています。
この遺伝操作をスポーツ選手に応用したら、持久力を必要とするスポーツ選手は強くなります。
人工細胞が医療の方で当たり前のように利用されるのも、それほど遠い話ではありません。
自分の細胞を強力に改善し、必要筋肉に埋め込むこともまんざら夢物語ではなくなります。
何れにしろ優れたスポーツ選手は、後天的努力と猛練習よっても生まれますが、素質すなわち遺伝的肉体条件が何よりも優先するケースが多いです。
身体能力の優れた両親からは、優れたスポーツマンが生まれる確率は高いです。
それが遺伝子の操作や、細胞再生によって科学的に生物的に可能になった時、改めてドーピング測定の手法が、どのように定められのでしょうか。
そして現在、優秀なスポーツ選手は国の宝であり、世界中の人の憧れと人気を集めます。
世界のなかで優秀な成績と認められた人は、その人の社会的地位から、経済的優位性まで決めています。
オリンピックはそれらの英雄を排出する最大の競技会です。
ある選手は国のため、ある選手は名誉のため、またある選手はお金のため、いずれにしろ優秀な成績を残すことが、周囲すべてを幸福にする要素が充満します。
またスポーツジャーナルはここぞと優秀選手を称賛し、英雄に仕立てます。
またそれがマスコミ業界の売上向上となり経済を支えます。
そこにスポーツ選手の経済的価値、宣伝価値が無限に膨らみます。
そんな社会的背景からもドーピング事件が後を絶たない本質があるのでしょう
不正とは知りながら、その美酒の味を味わうため、検出されない方法を模索しながら、ドーピング検査の目を潜り抜ける選手は、これからも後を絶たないことを私は憂います。
しかし私たちはスポーツを愛します。
健全な文化育成と身体向上のため、参加してよし、観戦してよし、応援してよし、これほど身近で誰でもが健康的に楽しめるものはありません。
それがアンフェアーな薬物で汚されてはいけません。
ですが誰でもが、どのスポーツマンも、何らかの方法で身体能力を高めたいです。
そんな選手の思いを少しでも叶えることがきるならと開発した、植物系プロテインの代表、大豆ペプチドを主体に、消化吸収がよい高タンパクの「バイオアスリートP3」を作りました。
当然ドーピングフリーすなわち「アンチドーピング」食品としての認証を取得した、自然の筋肉増強と疲労回復の食品です。
さらに過激な運動の連続で身体に大きな負担をかけ、酸素供給が激しいスポーツマンの疲労物質活性酸素を瞬間的に除去する、抗酸化能力を大豆の機能性物質を特化して高めています。
現役のスポーツマンから、引退したスポーツマンの健康を保護する優れものと自負します。
優秀なスポーツ選手の平均寿命は決して長くありません。
現役時代は勿論、引退してからの体のケアーがもっと大切です。
そんなことも考えた大豆プロテイン食品です。
ドーピングの心配ない健全な食品を摂取し、世界を目指すスポーツ選手になりましょう。