〜今年の猛暑は最多の熱中症を発症させた〜
(快適なはずのクーラーが体調を崩す)
今年(2015年)の夏は暑かった。
その影響でこの夏は「夏バテ」した、その「夏バテ」が抜けきらないうち、
秋風が吹くようになってから、夏の疲れ以上疲労感があり、これが「秋バテ」
なのだと感じてる今日この頃です。
ところで今年の夏は、83歳の私が経験したことのない、最高の暑さだった。
東京での最高温度は8月7日の37.9度でした。
この温度が示すよう、夏に入った6月から9月の8日まで、
最高温度35度以上の猛暑日が11日間、30度以上の真夏日が47日間、
それらを合わせて25度以上の夏日の合計が104日間というからこれは驚きです。
まだ驚いてはいけません。
東京は東京湾という海を抱えているので、海洋の影響がありますが、内陸の
盆地京都などは最高気温が39.1度の日も含め、猛暑日が21日間、
真夏日が67日、これら合計の25度以上の夏日がなんと121日ですから、
4月5月から既に25度を超えた日が多かったことになります。
これはまさに異常です。
こんな蒸し風呂かサウナ風呂に、何日も入れられていたら、
健康な人間でもおかしくなります。
その証拠に、消防庁が発表した熱中症患者救助で救急車出動が近年では
最も多く、6月から9月4日までで熱中症で救出された重症軽症合わせ
59,006人にあがります。
6月以前を計算にいれますと6万人を優に超えます。
そのうちの1,000人以上の人が命を落としています。
このうち65歳以上の高齢者死亡が75%を超えますので、
老人ほどこの暑さに耐えられず、身体機能にダメージが出やすいことを証明しています。
その原因は代謝機能の劣化によるものです。
若い時は体温を一定に保つため、エネルギーを消費し発汗作用や呼吸作用、
血行促進などで体を燃やし体内の熱を放出しますが、
年齢を重ねるとこの機能の働きが鈍くなり、体に熱が溜り自律神経が乱れ、体温の上昇、
臓器への血流不振、多臓器不全などを起こした結果、発熱、頭痛、めまい、
手足のしびれ、四肢の痙攣、筋肉痛、硬直、こむら返りなど様々な症状も出ます。
問題はその結果、呼吸不全、血流不全から意識喪失し不帰の人となることです。
私も年齢的にはこの老人の仲間、当然代謝機能はご多聞に漏れず衰えています。
この体力低下を知り、気を付け無理をしないよう努めましたが、今年の夏はさすがにバテました。
暑さによる代謝不全もありますが、クーラーによる後遺症もあるのではないかと思います。
老人が室内で熱中症にはなり死んだニュースをよく聞きます。
クーラー使用がなく室温があがり、その原因で体温が上がり熱中症になったとあります。
本来クーラーが嫌いな私でも、そんなニュースが気になり、熱帯夜と言われた夜は、
就寝時でも部屋のクーラーをよく使いました。
タイマーをセットして睡眠開始1時間後、2時間後にオフになるようした
つもりが、翌朝まで運転され、その寒さで夜中でも目が覚めた経験が2、3度あり、
そんな日は何となく体がだるく感じました。
就寝初めの温度と朝の室温の差が10度以上で、
クーラーの風に一晩中さらされた後遺症でしよう。
身体を動かす昼間でも、外気温とクーラーの効いた室温の差が、
時によると10度以上の温度環境があります。
汗を流し暑さに耐えた体には、冷えた室温は天国ですが、
この温度環境の突然の変化は体にはどのように影響してるのでしょう。
ましてそんな温度変化状態を何回も繰り返す夏場は、体に応えないはずはありません。
これは巷間よく言われる冷房病(クーラー病)の引き金になります。
人間の体は暑さ寒さに対応するため、血管を弛緩させたり収縮させたりで、
血流の流れを調節して一定の体温を保つ働きがあります。
その機序をクーラーの温度が壊すことが冷房病です。
暑さで弛緩して汗をかかせた血管が、急にひんやりした温度環境に入ると収縮します。
そんな状態を繰り返すと、5度以上の急激な温度変化をコントロールできない自律神経が、悲鳴を上げます。
その結果、体は疲労感、肩こり、頭痛、神経痛、腰痛、下痢や便秘、女性は生理不順など諸症状が発生します。
ことに影響受けやすいのは、女性や乳幼児、それと代謝機能が衰えた高齢者です。
まさにこの猛暑の夏、高齢者の私もこの症状のはしりになったようです。
その結果はっきり症状に出たのは8月の終わり、
急激に温度が下がった日が何日か続き、
一遍に10月中旬の気温が来たときでした。
昨日まで35度を超える暑さの中で頑張ってきた体は、急激な冷えに耐えられず、
疲労感と頭痛、倦怠感とのどの痛み、鼻水があらわれ始めました。
軽い風邪の症状です。
寝込むほどではないので、職場には通いましたが体調は完全ではなくその
状態が1週間以上続いています。
気候は秋雨前線が日本列島に居座り、カラっと晴れの日が少なく、
そこへ台風が襲来し気温と気圧の乱れが気分も体も憂鬱にさせます。
さっぱりした気分になれないことが、疲労を呼びます。
その遠因は今年の猛暑と判断します。
まさに「夏バテ」が「秋バテ」を呼んでいるのです。
「夏バテ」後遺症です。
しかしやがてカラっとした秋日和の晴天が続く季節になり、
食欲の秋、馬肥える秋を迎えます。
そうなれば新陳代謝が衰えた高齢者でも、元気を取り戻します。
だがこんな異常な暑さの夏はこれで終わりではないでしょう、
来年も、再来年も、近い将来こんな調子が続くかもしれません。
地球温暖化が叫ばれています。
北極、南極の氷が解け、海面が上昇してる話は現実で、日本においても
農作物や果実の適温適地が北へと移動しているようです。
人間の「夏バテ」より地球が「暑さバテ」にならないことも心配します。