HUMIC SUBSTANCES
腐植物質とは
01 アルバータの大自然の恵み
カナダの西部を南北に貫くカナディアンロッキー山脈。その東麓に位置するアルバータ州が「カナディアンフミン」の生まれた場所です。
美しい大自然の景色で名高いジャスパーやバンフ国立公園があり、いくつもの氷河が今なお流れ続けています。
山麓にはトウヒ、マツ、モミなど世界でも屈指の亜寒帯針葉樹林が広がっており、人類の歴史が始まるはるか前から世代交代を繰り返しながら悠久の時間を経てきたのです。これらの膨大な樹林の堆積物から「カナディアンフミン」は生まれたと考えられています。
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02 天然濃縮腐植地層の発見
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植物堆積物の炭化過程
「カナディアンフミン」の採れるアルバータ州は、北海道よりもずっと高緯度にあたり、寒冷な気候の中、堆積した有機物はすぐに分解されることなく、ゆっくりと複雑な炭化過程を経ていきます。
通常、有機堆積物は小動物や微生物によってすみやかに分解されます。ピートモスに代表されるような泥炭地層は、湿地など酸素が供給されない条件のもとで、有機物の分解が進まず、コケや草などの遺骸がそのままに近い形で堆積したものです。
また、地質時代に地中に埋もれた植物遺骸の一部は炭化過程の最終段階である石炭として採掘されています。これは炭素の純度が高くなっており、化学的な活性はありません。
不思議な天然鉱物
アルバータ州の石炭採掘の地質調査で発見された「ある地層」は、構造中に酸素原子を著しく多く含み、燃料としては不適格でやっかいな物質でした。それが比較的浅い地層に、それも大量に埋まっているのです。
しかし、このやっかいな地層こそが、フミン酸、フルボ酸などの腐植物質が高度に濃縮された(70%以上)天然腐植地層だったのです。
常識では考えられないような濃縮した腐植地層が生成されたメカニズムはまだ詳しく解明されていません。かつてこの地で繁茂していた植物相、低い気温、氷河の存在など特異な環境要因によるものと考えられています。
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世界が驚く奇跡の天然腐植地層
いずれにしても「カナディアンフミン」と名づけられた、この腐植地層からの採掘鉱物は、地力そのものとも言えるフルボ酸やフミン酸のかたまりであり、土の力を劇的に高める農業資材として一躍注目を浴びることになりました。
現在ではカナダ・アメリカをはじめとした世界中で農地やゴルフ場の資材として広く使われ、有機農業の生産資材としても世界の認証機関から認証されています。
日本においてはピィアイシィ・バイオのみが輸入しており、農業資材
「地力の素」「カナディアンフルボ」「フミンライト」が国内の有機JAS資材評価協議会により
「有機JAS規格別表1適合資材」の評価を受けています。
03 北米大陸の腐植地層
現在、アルバータ州のほかにも北アメリカ大陸のロッキー山脈の東側に沿って、腐植物質を含む鉱物が採掘されています。アメリカのユタ州やニューメキシコ州など既に日本国内でも知られているものもあります。
これら北米産の腐植鉱物の性質の比較はさまざまに研究されています。例えば、品質評価のひとつとして用いられるCEC(陽イオン交換容量)値の比較ではアルバータ州の原鉱がもっとも高く、次にワイオミングやユタ、ニューメキシコの順になっています。
このことはつまり、北米大陸では概して北に行くほど高濃度な品質のよい腐植鉱物(あくまでも腐植物質としての評価においてですが)が採れるということです。アルバータはまさにそのラインの北の端にあり、腐植物質の生成と濃縮に低気温などの気候条件が関係していることがうかがえます。
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04 天然腐植のパイオニアとして
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わたしたちピィアイシィ・バイオはアルバータの高品質な天然腐植「カナディアンフミン」にいち早く注目し、農業・畜産資材としてはじめて日本国内に導入しました。また、豊富にフルボ酸を含むこの原鉱から、一切の化学処理をすることなく純度の高いフルボ酸溶液を開発することにも成功しました。いまや化粧品や健康食品などライフサイエンス分野からもこのフルボ酸は注目されています。
「天然腐植」と「フルボ酸」。この2つはこれからの農業に欠かせないキーワードになるでしょう。 古来から植物をはぐくみ、一度は化学肥料の万能論のもとに追いやられた腐植物質が、ふたたび持続可能な農業のために見直されています。古くて新しいこの技術が今まさに農地に必要とされているのです。